英語多読とは?

英語多読

英語学習における多読とは、英語の本をたくさん読む(extensive reading)こと

多読とは、文字通り本をたくさん読むことを言います。英語学習における多読とは、英語の本をたくさん読む(extensive reading)ことを意味し、やさしい英語をたくさん読むことで英語力の向上を図るというものです。このサイトでも「多読」と書いているのは、この英語多読法の実践のことを、だいたい意味しています。

この多読、自分の力ですらすら読める簡単な英語の本を大量に読んでいく「英語多読法」を、推奨したのは、電気通信大学の酒井邦秀准教授でした。著書「快読100万語!ペーパーバックへの道」の中で、学生が英語が出来ない根本的な理由として、学生が英語の文章に触れている時間の少なさをまず上げています。

中学校・高校で勉強するときに使うテキストは、全ページでせいぜい数万後

学校で使うテキスト、例えば使っていたクラウンなどですが、文庫よりも薄くペラペラなもので、せいぜい文字数は数万語のみで、しかもそれを1年もかけて、ゆっくりやっている状態です。それでは圧倒的に読みが足りません。

酒井邦秀准教授は、本の中で100万語読めば、とりあえずペーパーバックの「入り口」に到達できると言っています。入り口ってのが、やや悲しい感じもしますが、現実的にそういうものです。100万語と聞いて、無理!と思いそうですが、ポイントは自分が読めるレベルの本を選ぶことを一番にあげています。ここで読めるとは辞書がいらないレベルということです。

詳しくは、「快読100万語!ペーパーバックへの道 」で詳しく紹介されていますので読んでみた方がいいでしょう(読むとかなりやる気が出るのも良い点です。)

また、酒井邦秀さんや古川昭夫さんなどで結成されたSSS(Start with Simple Stories)という研究会をはじめ多読学習の普及に努められています。

SSSの勧める多読方法については既に知っているとは思いますが、多読3原則というのがあります。

多読3原則とは?

 SSSでは、次の3つの原則を 多読3原則といっています。

1、辞書は引かない (引かなくてもわかる本を読む)
2、分からないところは飛ばして前へ進む (わかっているところをつなげて読む)
3、つまらなくなったら止める (1 2 の原則で楽しく読めない本は読まない)
 

いちおうこういうルールで行います。
私の場合、読む時はとことん辞書を使う人間だったので1の「辞書は引かないというルールが厳しいものでした」従って読み終えたら、好きなだけ引いて良いことにしていました。辞書を引かないという根本的な理由は、日本語に訳すなということになると思います。ずっとお勉強していた私にはこれが難しかったです。

2の飛ばして前へ進むは、ようするに後ろから返って訳すというのを徹底的にやめてしまう方法です。英語脳とかいわれるやつですが、英語には英語の語順があって、英語を使える人は英語の語順でちゃんと理解できます。

3、つまらなくなったらやめるは、言い換えると、意味がとれなくてわかんなくなった時です。勉強と違って、分からないときに、歯を食いしばらずに、もし意味がとれなくなったらその本は諦めるというスタンスだけは守ります。

ちなみに、酒井邦秀准教授は、演壇に立って英語の講義をすることを止めて、生徒に円になってもらってひたすら英語の本を読ませるだけという、思い切った授業を推し進め、洋書が読めるようになった生徒を多く輩出し成果をあげたそうです。私も実感として、とても効果のある学習法だと思います。

多読の問題点

そんな、私も多読を進めていましたが、多読にも少なからず問題があります。

1、学校のテスト対策にはならない

多読を得点に換算できないので、テスト不可能です。何冊読んだとか感想文などが想定されますが、いったいテストって何なんでしょう?と思わんでもないです。感想文なんて書かされるなら誰もやらないとも思います。

2、精読とまっこうからやってることが反対

もう一つの学習、精読とまっこうから逆のスタイルです。辞書は引きまくる。わかるまで日本語に訳す。とにかく粘る。精読はそういう勉強方法です。精読はやんないと決めるか、同時期にやらないようにする必要があります。いずれにしても精読も英語にふれる時間を増やすという点だけ(精読は同じ文章を何度も)は共通しています。

3、本の代金がかなりかかる(ように感じる)

多読のネックはこの本の代金です。簡単でやさしいからと言って、安いわけではなく、1冊1000円前後はします。新品ばかり100冊買えば、100,000円となかなかの値段になってしまいます。図書館で借りればいいのですが、なかなか置いてありません。この辺を他の勉強方法と比較してどう思うかというのがポイントですね。高いと思うか安いと思うかは個人次第です。

それでも、多読をおすすめする理由は、最大の利点として、勉強しているという気に全然ならないということにつきます。インターネットのおかげで、自分に適した本はすぐに探しだすことができますし、仲間をつくって一緒に頑張っていくことも可能になりました。今までこんなに楽しい学習法が広まらなかったのは、単に「やさしい本を読む」のやさしいのレベルが高すぎたからだったことです。やさしすぎるぐらいやさしいものを探すというのが一番のポイントでしょう。

本や本の情報はどこで手に入るのか?

このサイトでもGR本リストを作成して調べられるようにしてあります。

SSSの書評ページ
を覗いてみるのも良いと思います。SSSでは独自のレベル付け読みやすさレベル(YL: Yomiyasusa Level)というのを細かく設けていますので、本選びにかなり参考になります。

自分の欲しい本は残念ながら町の小さな図書館ではほとんど、洋書は置いてありません。題名を言って図書館に他の図書館から取り寄せ依頼をするか洋書を安く買うなどを参考してもらって実際に購入していくしかないでしょう。

ところで、100万語というのは、読書好きであれば、毎日通勤電車の中だけでも、半年もあればらくらく読める文字数です。本好きが楽して英語が身に付くとはこのことです。過去に戻って、多読をやらなかった私に説教してやりたいです。

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