コレリ大尉のマンドリン  CAPTAIN CORELLI’S MANDOLIN ペンギンリーダーズ レベル6 レビュー

お薦め度:★★☆☆☆
● レベル6
● 101ページ
● 総語数33,222語
● 目安 3000語 TOEIC 730点 TOEFL iBT 79-80 英検2級- 準1級 セファールC1

ルイ・ド・ベルニエール原作でニコラス・ケイジ&ペネロペ・クルス主演で映画にもなった作品。ギリシャの小さな島、ケファロニア島を舞台にした第二次世界大戦の悲劇がベースになっている大河。この島でイタリア軍将校のコレリ大尉はギリシャで美しい娘ペラギアと恋に落ちるのですが、わりと突っ込みどころが多い話になっています。よく戦争もので楽器がでてくる名作映画に「戦場のピアニスト」とか「ブリキの太鼓」とか「ビルマの竪琴」などがあり、わりと楽器が重要な役目を果たしますが、この話、少なくともペンギンリーダーズのものでは、マンドリン全く関係ないストーリー展開です。別にマンドリンいらないのでは?とこのGLを読んだ後で、映画を見た人にいうと見事に同意してくれました。あとは主役2人がアメリカ人のニコラス・ケイジ、そしてペネロペの顔が思い浮かび続けるのも問題です。本の中ではイタリア人なのに・・・。他の国の人はやめましょうよ。

少しネタばれになりますが、話の大枠はこうです。イタリアは戦争初期はファシズム側としてドイツと同盟を組んでいます。そこで敵対国であるギリシャに侵攻して、この島を占拠するのですが、そのときのイタリア軍の隊長がコレリ大佐。コレリ大佐は礼儀正しく音楽家になりたいと思っているので、元々戦争に全くやる気がありません。というわけで平和に日々が過ぎていきます。途中、ペラギアの恋のライバルなんかも登場しますが、基本的にラブコメかと思うぐらいです。しかし、戦況が変化したことで、平和が終わります。つまり、イタリアが単独降伏したことによって同盟国だったはずのドイツの敵対国となってしまうのです。戦闘を嫌って降伏した島のイタリア軍ですが、ドイツ軍に虐殺されてしまいます。コレリ大佐の運命やいかに。みたいな話です。

ドイツについては、わりとたくさん小説や映画になっているので、ある程度知識がありますが、イタリアが当時どんな様子だったのか知らなかったために、あまりのめり込めないというのも問題がありましたが、コレリ大佐とペラギアの恋の行方がもうどうしようもない(ばかげた)理由で、分かれてしまったりするので、読んだ後脱力しました。コレリ大佐もっとちゃんと確認できるでしょ。あなた。

本当の原作は評価が高く、綿密な取材をもとに多様な人々の証言や独白で構成された、ギリシャの現代史を俯瞰した作品らしいですが、どうなっているかは読んでいないためになんとも言えません。少なくとも僕は読みながら何度も本につっこみ入れてました。それでもなんだかんだで楽しんで読めたので、★は2つです。このGLでの一番の問題は話を悲劇として読めばいいのか、ラブコメとして読めばいいのか分からないことにつきます。もったいない。

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