American Crime Stories オックスフォードブックワームズ レベル6 レビュー

 

お勧め度grade6
● レベル6 stage6
● 102ページ
● 総語数26,500語
● 難易度目安:単語数は2200語 TOEIC 700点~800点 英検準1級以上

アメリカ人の作家によるクライムストーリーのアンソロジー。レベル6だけあって、文法の規則が複雑になり、話自体も読み応えがかなりあります。作家収録作品ともに文句なしの1流れ所がそろった名GLになっています。犯罪ものは仮定法や省略などが多発しますが、スリルとサスペンスによってどんどん読み進めてしまえます。少し難しい言い回しもありますが、基本的にはとても読みやすいです。一応収録作について簡単に触れて起きます。

・Death Wish ローレンス・ブロック
「八百万の死にざま」などのマット・スカダー・シリーズで有名なブロックから、「ベストセラー作家入門」も読んだことがありますが面白いです。
この短編もはっとする落ちが待っています。

・Death on Christmas Eve スタンリイ・エリン

「パーティーの夜」と「ブレッシントン計画」でエドガー賞 最優秀短編賞を受賞したニューヨーク出身の作家。さまざまな仕事をしながら作家になりました。この作品はクリスマスにある家を訪れることから始まります。クライムストーリーの枠を超えた人間といものを考えさせられる佳作。

・The Heroine パトリシア・ハイスミス

在学中に短篇小説の執筆をはじめ、この「ヒロイン」が雑誌『ハーパース・バザー』に掲載されたのがデビュー。この作品集でベストを選べと言われたらこの話を推します。純文学の香りすら立ち込める。名作。必読です。そのほかだと「太陽がいっぱい」が有名どころです。

・Ride the Lightning ジョン・ラッツ

アメリカ テキサス州ダラスに生れ、トラック運転手や工事現場で働きながら作家になりました。いろんなペンネームで短編を書いていたりします。
渋い内容からハードボイルド作家として認知されています。Ride the Lightningはお手本みたいな筋書きです。この本のメインの紹介文になっていますが、一段落ちると思います。面白くないわけではないですが、他にすごいのがあるので・・。

・the Lipstick メアリ・ロバーツ・ラインハート

貧しいミシンの行商人の家に生まれ、看護婦養成学校で学びますが、不幸が続発する生い立ちです。父親がピストル自殺をし、母親もそのショックで下半身不随になり、熱湯での火傷が原因で亡くなるという悲劇に見舞われます。その反動か、ロマンスや冒険色の豊かなものが多いです。このthe Lipstickは自殺したいとこの死因が信じられず、本当の理由、殺人犯をつきとめようとヒロインが活躍します。ややラブコメ色も感じられます。読後なんかさわやかになりました。

・Lazy Susan ナンシー・ピカード

一発ネタというのが相応しい話。出落ちみたいな。次の最後のハードなタッチの前の清涼剤ですかね。

The Gutting of Couffignal ダシール・ハメット

ご存知ハードボイルドというジャンルの始祖ともいえるハメットの話がトリ。Couffignalという島で起こる強盗(ほとんど暴動レベル)に立ち向かう探偵を描きます。マシンガンやグレネードが飛び交うアクションシーンもあります。お約束の美女もでてきてフルコースお腹いっぱいの短編です。

といわけで、「American Crime Stories」は各作家の代表作も納められているので非常に面白いです。原書をぜひ読んでみたいと思わせる作品ばかりです。超お勧めということで星は5つです。

>> オックスフォード ブックワームズ ライブラリ ステージ6

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