多読の楽しさは格別
私はイカやタコなど海鮮ものが、昔からダメです。おすし屋さんに魅力を全然感じない人で、そのことを話すとよく人から残念がられます。あんなにおいしいのに食べれないなんて!という気の毒そうな顔をしています。よくみるとその人のワキにはJTBの日本海海鮮ツアーのパンフレットなんかが挟まれていたりしています。そして当然、私はそんな旅行には全く興味をもてません。回転すしも行きません。
実のところ、他にも「きのこ類」が苦手でした。あの裏のヌメっとした感触がイカとタコ同様にどうにもこうにもダメでした。でも、きのこはあるとき、見事に克服できました。ものすごくおいしい「きのこパスタ」を京都のとあるイタリアンレストランで食べたのがきっかけです。倉庫のような伽藍とした店内に、ろうそくがゆれるテーブルできのこパスタを完食しました。あまりのおいしさに感動。結局きのこは食わず嫌いだったということです。
そう、本題ですね。そんな感じで多読そのものを嫌悪してたのがわたしです。読んでるだけで読めるようになるなんて、ありえない。言葉自体が矛盾してるじゃないかと思っていました。多読3原則のうちの一つ「辞書は引かない」に頑固に抵抗。調べない単語は永遠に分からないでしょと思っていました。だから辞書引き倒します。辞書を引くことに抵抗が全然ないのも問題です。
しかし、多読を始めてみると、他のどの学習方法より楽しい勉強方法なことに気がつきます。何しろ、本読んでたら勉強ってことになるわけです。洋書読みの前に、読書大好き人間であれば、よく考えたら、これが一番フィットする勉強方法だったということです。気がついた後で、放心状態。これでいける!と思えた瞬間です。
瞬間英作文にしろ、音読にしろ、シャドーイングにしろ、正直トレーニングという感じがぷんぷんするので、それらの学習はオモシロさという点では皆無です。強い目的意識と毎日の習慣にすることでやりきれる勉強方法だと思います。ところが多読は、本を読んでれば力が伸びるということです。本好きにとって面白くないわけがありません。
多読向けの本を、子供向けの本と侮ってはいけません。選べばいいんです。面白いのを。
わたしが最初に選んだ本はラジオ英会話だった「アメリカン・パイ」という本。テキサスから来たケイ・ヘザリさんというアメリカ人が日本とアメリカについて書いたものでした。何故か家にあったので、それをもって行きました。その日の電車内で、背伸びせず辞書を持たずに読む快適さったら、かなりのものです。1日で読了しました。(ちなみに本は語数 11,000 YL 4.3とのこと)
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その後は、多読中は、英語の勉強しているという気になれず、片っ端から喜んで読んでいくという感じです。というわけで、本好きなら多読こそ英語学習の一番の方法なことにいまさら気が付きました。レベルの低い本を読むという行為で、プライドが傷つくからって食わず嫌いはいけませんね。
だから、もしかしたら、イカとタコもいつか克服できるかもしれません。