ジョイラッククラブ(The Joy Luck Club) オックスフォードブックワームズ レベル6 レビュー
お薦め度:★★★★★
● レベル6
● 本文120ページ
● 総語数26,380語
● 難易度目安:語数制限:2500語 TOEIC700点以上
1989年に発表されたエイミ・タンの代表作がGLになった。原作は読んだことはなかったのだけれど、映画は見たことがあった。確かスモークのウェイン・ワン監督、オリバー・ストーン製作総指揮だったように思う。映画は正直、期待はずれだったという印象しか残っていない。スモークの雰囲気が好きだっただけに、肩透かしだったのかもしれない。それでもいくつか印象的なシーンだけは覚えていて(抱き合うところなど)GLで読んでみることにした。オックスフォードブックワームズのジャケットはすばらしいものがあるし。
たまに、こういうのに出くわすから困る。GLで読むべきでない本だ。傑作。読みながらしまったなという印象しかもたなかった。これは原書で読むべき本である。英語の勉強ですというのでは済まされない奥深さを感じる。
あらすじは、20世紀初頭のサンフランシスコを舞台に、中国から移住して苦難の人生を生きてきた4人の女性と、アメリカ人として生まれ育った彼女たちの4人の娘たちの世代間の相違と心の絆を描いた作品ということになる。が、単純な話ではない。ジンメイ・ウーというコピーライターの女性が、急死した母親の代わりにジョイ・ラッククラブという麻雀卓を囲んで語り合うクラブ
に参加するところから始まる。長編ではあるが、8人の視点から母娘の視点で描かれていく、中国での戦争の話、アメリカでの現代社会の話など、親子、国籍などいくつもの視点が絡み合います。最も感動的なエピソードも最後に用意されています。
視点が変わるので英語勉強用としては、難しい部類に属していると思います。また僕が男だという理由で感情移入が出来ずらい部分もしばしば、決められた人と結婚したり、嫉妬にかられたりするような場面など。それでも、これが名作だということは分かります。翻訳もでているので、それを読んでみたいと思います。男の人なら★4つ、女の人なら★5つでしょう。